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·東京都小平市·約8分

ガラス越しの光が、公民館と図書館を溶かし合う——小平市立仲町図書館 なかまちテラス

プリツカー賞建築家・妹島和世が「小平に祖母が住んでいた縁があり、ぜひ設計したい」と公募プロポーザルに応え手がけた複合施設。「建物と緑と人々の活動が混ざり合う公園のような施設」がコンセプト。ガラス張りの外観は、昼は光を集め、夜は施設内から街を照らす。「仲町を照らす」の意味を込めた愛称の通りだ。

なかまちテラスの外観イメージ(AIによるイラスト)

※画像はAIによるイメージです。実際とは異なります。

早稲田大学国際文学館の隈研吾、杉並区立中央図書館の黒川紀章に続き、このシリーズはまた一人、著名な建築家の仕事を訪ねる。東京都小平市のほぼ中央、仲町エリア。平成27年(2015年)3月、公民館と図書館を一体化した複合施設が誕生した。設計を手がけたのは、建築界のノーベル賞とも呼ばれるプリツカー賞を受賞した妹島和世。愛称は「なかまちテラス」だ。

公園のような施設、というコンセプト

**このシリーズは「図書館(建物)を楽しむ」ことをテーマにしている。**なかまちテラスが見せてくれるのは、「建物と緑と人々の活動が混ざり合う公園のような施設」というコンセプトそのものだ。もともとこの敷地には3階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造の図書館があり、そこから徒歩1〜2分のところに小さな公民館があった。市がこの二つを複合させようと計画し、公募型プロポーザルを実施。「小平は祖母が住んでいたという縁もあり、ぜひ設計したいと思った」という妹島和世の応募が選ばれた。

外観はガラスを多く使用した、従来の公民館や図書館とは一線を画すスタイリッシュなデザイン。初めて前を通りかかると、一瞬「工事中かな」と思ってしまうほど、既存の公共施設のイメージからかけ離れている。日中は太陽の光を建物いっぱいに集め、夜になると施設内の明かりが外を照らす仕掛けになっている。「仲町を照らす」「仲間を照らす」という意味を込めた「なかまちテラス」の愛称は、この建築の在り方そのものを言い表している。

地下1階から地上3階まで、フロアごとに異なる機能を持つ。1階には新聞コーナーと、障がい者団体が運営するカフェラウンジ(16席)。2階には児童書と、小平市立図書館の中で最も所蔵数の多いティーンズコーナー、幼児コーナーと授乳室。3階には一般書架がある。壁面書架や雑誌架は木目調で統一され、落ち着いた雰囲気を演出。地震対策として免震書架も導入されている。

蔵書7万〜11万冊、コンパクトな読書スペース

蔵書数は約7万〜11万冊(開架は約3万冊)。もともと小平市で最初の公共図書館として誕生した歴史を持つが、リニューアルに伴いコンパクトな街の図書館になった。2階には小平市立図書館の中で最も規模が大きいティーンズコーナーがある。館内の読書スペースは計24席(うち机なしの椅子のみが11席)と決してゆったりしているとは言えず、長時間の座り込み学習にはあまり向かない。独立した専用の自習室もない。

館内では無料の公衆無線LANが使え、一部の「パソコン用電源席」では持ち込み端末の充電・作業もできる。駐車場は敷地内に5台分、隣接する第一中学校側に10台分と極めて少なく、複合施設のため満車になりやすい。1階には社会福祉法人が運営するカフェ「CAZE CAFÉ なかまち」があり、美味しいスイーツやコーヒーを味わいながら過ごせる。

開館時間は曜日によって差が大きい。月・木・土・日・祝日は17:00までと早めだが、火・水曜だけは夜20:00まで開いている。毎週金曜日が休館日で、これは祝日であっても閉館する少し珍しいスケジュールだ。「人と情報の出会いの場」をコンセプトに、あえて壁を少なくして会話や人の気配が混ざり合う空間として設計されているため、静寂な環境でじっくり受験勉強などをしたい場合は、車で数分の小平市立中央図書館(小川町)の学習スペースの方が向いている。

玉川上水と平櫛田中、水と緑の散歩道へ

小平市は江戸時代に開削された玉川上水と、水と緑の散歩道「小平グリーンロード」に恵まれた街だ。図書館から少し足を延ばせば、玉川上水緑道沿いに、日本近代彫刻界の巨匠・平櫛田中の旧邸を公開する平櫛田中彫刻美術館がある。四季折々の花が咲く庭園も見どころで、作品とあわせてゆっくり過ごせる。

アクセス

  • 西武新宿線・拝島線 小平駅より徒歩圏内
  • 西武多摩湖線 青梅街道駅より徒歩約9分

こんな人におすすめ

  • 妹島和世建築を巡っている人 — 「公園のような施設」というコンセプトが体現された、ガラス張りの開放的な空間
  • 複合施設の在り方に興味がある人 — 公民館と図書館が溶け合う、地域密着型のつくり方
  • 子ども連れ — 幼児コーナー、授乳室、おはなし室など、小さな子ども連れでも過ごしやすい設備
  • 玉川上水散策とあわせたい人 — 平櫛田中彫刻美術館まで足を延ばせば、水と緑の小平を満喫できる

周辺スポット

美術館

平櫛田中彫刻美術館

日本近代彫刻界の巨匠で小平市名誉市民・平櫛田中の旧邸を保存・公開する美術館。作品とともに、四季折々の花が咲く庭園も見どころ。玉川上水緑道沿いに立つ。

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車で約15分
遊歩道

玉川上水緑道

江戸時代に整備された玉川上水沿いの緑道。小平市内を東西に横断し、ケヤキやコナラなど四季の木々に囲まれた散策路が続く。市内を一周する「小平グリーンロード」の一部。

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車で約10分

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なかまちテラスは西武新宿線・拝島線小平駅、西武多摩湖線青梅街道駅のいずれからも徒歩圏内。玉川上水沿いの散策とあわせて楽しめるエリアです。

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