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·茨城県水戸市·約7分

議事堂から図書館へ、日建設計の転生建築——茨城県立図書館

1969年、日建設計が手がけた茨城県議会議事堂。県庁移転で役目を終えたこの建物を、2001年、耐震補強と内外装改修を経て図書館に転生させた。政治の舞台だった議場が、約102万冊の本に囲まれる読書空間に変わった。日本三名園・偕楽園や磯崎新の水戸芸術館も徒歩圏内という、水戸の中心地に立つ。

茨城県立図書館の外観イメージ(AIによるイラスト)

※画像はAIによるイメージです。実際とは異なります。

水戸市三の丸、水戸城跡のすぐそば。この場所に立つ茨城県立図書館は、もともと図書館として建てられた建物ではない。1969年、日建設計の設計で竣工した茨城県議会議事堂——政治の舞台だった建物が、その役目を終えて図書館に転生した。

議場が、読書空間に変わるまで

**このシリーズは「図書館(建物)を楽しむ」ことをテーマにしている。**茨城県立図書館が見せてくれるのは、新築の造形美ではなく「転用」という建築の面白さだ。旧図書館は昭和31年(1956年)建築で老朽化・狭隘化が進み、県民の高度化・多様化する学習ニーズに応えることが難しくなっていた。ちょうど同じ時期、水戸市笠原町への新県庁舎移転にともない、旧県議会議事堂の跡地利用が課題になっていた。この二つの課題を一つの答えで解決したのが、旧議事堂を図書館として改修するという計画だった。

耐震補強工事と内外装改修工事を含む総事業費は約19億8,000万円。平成12年(2000年)3月に改修工事に着手し、平成13年(2001年)4月、新しい県立図書館として開館した。かつて議員たちが議論を交わした空間が、静かにページをめくる音に包まれる場所に変わった——このコントラストこそ、この建物を訪れる一番の醍醐味かもしれない。

約102万冊、水戸のカルチャー拠点として

蔵書数は約102万冊。100万冊を超える県内トップクラスの規模で、一般書、児童書、郷土資料、視聴覚資料までバランスよく揃う。1階には星乃珈琲店が入り、休憩や飲食もできる。2階には視聴覚ホールがあり、映画鑑賞や講演会にも使われている。長年「ブック・マーくん」というゆるキャラが親しまれており、創立100周年を記念して2003年に誕生した。

館内では手続きをすれば無料の公衆無線LAN(NTT東日本「ギガらくWi-Fi」)が使え、2階の人文・自然科学コーナーや郷土資料室、1階の児童図書研究室などの一部閲覧席には電源コンセントも用意されている。「学習室」という独立した部屋こそないが、館内440席の閲覧席では自分の教材を持ち込んだ受験勉強・試験勉強が認められており、3階の第3会議室が「会話ができるグループ学習スペース」として日時限定で開放されることもある。駐車場は隣接する県庁舎(三の丸庁舎)との共用駐車場が利用でき、館内カウンターで手続きをすれば無料になる。

近隣の茨城県陶芸美術館とのコラボ美術講座が開かれるなど、単体の図書館にとどまらず、水戸の文化施設同士が連携するハブとしての役割も担っている。

磯崎新、そして日本三名園とあわせて

図書館から徒歩15分ほどのところに、建築家・磯崎新が設計した水戸芸術館がある。正四面体を組み合わせた高さ100メートルの塔がシンボルで、このシリーズで九州・北九州市立中央図書館を訪ねた際にも触れた磯崎新の、また違う代表作を見られる。徒歩8分の弘道館は、水戸藩9代藩主・徳川斉昭が創設した藩校跡で、江戸時代の教育施設としては日本最大級の規模を誇る。少し足を延ばせば、日本三名園のひとつ・偕楽園もあり、2月から3月の梅まつりの時期には特に賑わう。

アクセス

  • JR常磐線 水戸駅より徒歩約10分
  • 駐車場あり(66台)

こんな人におすすめ

  • 近代建築・建物の転用に興味がある人 — 議事堂から図書館へという転身の物語そのものが見どころ
  • 磯崎新建築を巡っている人 — 北九州市立中央図書館に続き、水戸芸術館でまた違う仕事を見られる
  • 水戸の歴史・庭園めぐりをしたい人 — 弘道館、偕楽園と徒歩・バスで回れる好立地
  • カフェで一息つきたい人 — 1階の星乃珈琲店で休憩しながら長時間過ごせる

周辺スポット

近代建築

水戸芸術館

建築家・磯崎新が設計、水戸市政100周年を記念して1990年に開館。正四面体を組み合わせた高さ100メートルの塔がシンボルで、展望室からは市街を一望できる。このシリーズで九州・北九州市立中央図書館を手がけた磯崎新の、また違う代表作。

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徒歩約15分
史跡

弘道館

水戸藩9代藩主・徳川斉昭が創設した藩校跡。江戸時代の教育施設としては日本最大級の規模を誇り、国の特別史跡・重要文化財に指定されている。

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徒歩約8分
庭園

偕楽園

金沢・兼六園、岡山・後楽園と並ぶ日本三名園のひとつ。約100品種3,000本の梅が植えられ、2月から3月の梅まつりには多くの人で賑わう。徳川斉昭自らが設計に関わったとされる。

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徒歩約25分(バスで約10分)

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茨城県立図書館はJR水戸駅から徒歩約10分。偕楽園、弘道館、水戸芸術館など水戸の歴史・建築めぐりの拠点として便利です。

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