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·東京都文京区後楽·約11分

白球の記録だけを、5万冊——野球殿堂博物館 図書室

東京ドームの一角、21ゲート脇にある野球殿堂博物館。殿堂入りした名選手のレリーフが並ぶ展示室の奥に、野球の本だけを5万冊以上集めた図書室がある。選手名鑑、球団史、戦前の野球雑誌、ルールブック。1959年の開館から日本の野球界全体で守ってきた、白球の記録の書庫。Phase 5東京編の最後の一館。

野球殿堂博物館 図書室のイメージ

※画像はAIによるイメージです。実際とは異なります。

Phase 5 #13は東京・後楽園の野球殿堂博物館の図書室。#6の日本近代文学館から続いた東京の専門図書館編は、これで最後になる。

文学、雑誌、マンガ、子どもの本、点字、旅、食と来て、最後にこだわっているのは野球だ。


東京ドームの21ゲートの脇に

野球殿堂博物館があるのは、東京ドームの21ゲートの右側。球場の建物の一角に、入口がある。

開館は1959年6月12日。当時はまだ後楽園球場の時代で、東京ドームができたのは1988年のことだ。博物館は、プロ野球だけでなくアマチュア野球も含めた日本の野球界全体で運営されている。特定の球団の博物館ではなく、日本の野球そのものの博物館なのである。


野球殿堂という場所

博物館の名前にもなっている「野球殿堂」は、日本の野球の発展に大きく貢献した人を表彰し、その功績を後世に伝える制度だ。

殿堂入りした人は、肖像のレリーフ(浮き彫りの銅板)が館内の「殿堂ホール」に飾られる。最初の殿堂入りは、博物館ができた1959年。沢村栄治、正力松太郎らが選ばれた。それから半世紀以上、毎年少しずつレリーフが増え、最近ではイチローの名前も加わった。

選手だけではない。監督、審判、球団経営者、野球を日本に広めた人、学生野球の指導者。日本の野球をつくってきたあらゆる人たちの顔が、壁一面に並んでいる。


5万冊の、野球の本

その博物館の中にあるのが、図書室だ。

蔵書は5万冊以上。すべて野球の本である。

  • 選手や監督の自伝・評伝
  • 球団史、リーグ史
  • 選手名鑑、年鑑、記録集
  • 野球のルールブック、技術書、指導書
  • 戦前からの野球雑誌
  • 高校野球、大学野球、社会人野球の記録

野球の本は、思っている以上に多い。毎年のように出る選手名鑑、球団ごとの記念誌、引退した選手の自伝、戦術の解説書。それに加えて、もう手に入らない昔の野球雑誌もある。日本で野球がどう報じられ、どう語られてきたか。その記録が、ここにまとまっている。

2019年、博物館の開館60周年を記念して、図書室の図書約6,000冊がインターネットで検索できるようになった。その後も雑誌などの情報が追加されている。ただし、検索に出てこない資料もまだ多い。探しているものが見つからなければ、図書室のスタッフに相談すると、書庫の奥から見つけてくれることがある。


自由研究の相談まで

この図書室は、研究者や記者だけのものではない。

夏休みには、図書室の前に「野球で自由研究!お悩み相談コーナー」が開かれたこともある。テーマの決め方から資料の探し方、まとめ方まで、博物館のスタッフが手伝ってくれる。好きな選手の記録を調べたい、野球のボールがなぜ曲がるのか知りたい。そんな子どもの「なぜ」に、5万冊の野球の本で答えてくれるのだ。

Phase 5で見てきた専門図書館の多くは、大人の研究者や仕事で使う人のための場所だった。野球殿堂博物館の図書室は、そこに野球少年・野球少女が入ってくる。それが、この館らしいところだと思う。


利用のしかた

図書室は、博物館の中にある。

  • 図書室を使うには、博物館の入館料が必要になる(大人800円、65歳以上・高校生・大学生500円、小中学生200円)
  • 図書室の開室は水曜・金曜・日曜で、専用サイトからの事前予約制。時間枠ごとの少人数制なので、行く日が決まったら早めに予約したい
  • 閉架式。蔵書検索(OPAC)で資料を探し、閲覧申込書を出して出してもらう
  • 貸出はしない。館内で読み、必要な部分は有料で複写を頼む(自分のスマホでの撮影はできない)
  • ノートPCは持ち込めるが、コンセントやWi-Fiはない。自習のための席でもない

2026年5月からは、図書室を予約なしで臨時開室する「やきゅうの本だな 拡大版」も始まった。開室日にはテーマを決めた特集展示もある。予約が取れなかった人は、この臨時開室日を狙うのもいい。

博物館の展示と殿堂ホールを見て、図書室で好きな選手の古い記事を探す。試合のある日なら、そのままドームへ。野球好きにとっては、これ以上ない一日の組み立て方だ。


設備とアクセス

東京メトロ丸ノ内線・南北線の後楽園駅から徒歩約5分、都営三田線・JR中央線・総武線の水道橋駅から徒歩約5分、都営大江戸線の春日駅から徒歩約8分。

開館時間は10:00〜17:00(入館は16:30まで)。東京ドームでプロ野球の試合がある日は18:00まで開いている。休館日は月曜日だが、祝日、ドームで野球がある日、春休み・夏休みの期間は月曜も開館する。年末年始(12/29〜1/1)は休み。

博物館の専用駐車場はなく、東京ドームシティの有料駐車場を使うことになる(博物館の利用による割引はない)。電車で行くのが基本だ。


基本情報

項目内容
住所東京都文京区後楽1-3-61(東京ドーム21ゲート右)
アクセス東京メトロ「後楽園駅」・都営三田線/JR「水道橋駅」徒歩約5分/都営大江戸線「春日駅」徒歩約8分
開館時間10:00〜17:00(入館は16:30まで、ドームでプロ野球開催日は18:00まで)
休館日月曜日(祝日・野球開催日・春夏休みは開館)・年末年始
入館料大人800円、65歳以上・高校生・大学生500円、小中学生200円(図書室の利用にも必要)
図書室蔵書約5万点(野球専門)。水・金・日の事前予約制(専用サイト)、閉架式・貸出なし・複写可
Wi-Fi・電源なし
学習室なし
開館1959年6月12日
運営公益財団法人野球殿堂博物館(日本の野球界全体で運営)
駐車場なし(東京ドームシティの有料駐車場、割引なし)
公式サイト野球殿堂博物館

こんな人におすすめ

  • 好きな選手の昔の記事や記録を、古い雑誌や名鑑で調べたい人
  • 殿堂入りした名選手のレリーフを、ずらりと見てみたい人
  • 野球を夏休みの自由研究のテーマにしたい子どもと、その家族
  • 東京ドームでの観戦の前後に、もう少し野球に浸りたい人
  • 小石川後楽園とあわせて、「後楽園」の名前の由来までたどりたい人

周辺スポット

自然・公園

小石川後楽園

江戸時代初期に水戸徳川家の上屋敷の庭として造られた回遊式庭園で、国の特別史跡・特別名勝。「後楽園」という名前は、中国の古典の「天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」から取られた。東京ドームのある一帯が「後楽園」と呼ばれるのは、この庭園に由来する。野球の聖地の名前の、そのまた元をたどる散歩に。

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約500m(徒歩約8分)
その他

東京ドーム

1988年に開場した日本初の屋根付き球場。読売ジャイアンツの本拠地で、前身の後楽園球場の時代から数えれば、日本のプロ野球の中心であり続けてきた場所だ。博物館で殿堂入り選手のレリーフを見たあと、そのまま試合を観戦できる。野球殿堂博物館は、ドームで試合がある日は閉館が18時まで延びる。

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博物館の隣接

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