皇太子の東北巡啓が生んだ図書館、火災を越えて——山形県立図書館
後の大正天皇の東北御巡啓を記念して1910年に開館し、大火での焼失や戦後の仮館舎生活を経て、現在は生涯学習施設「遊学館」に入る山形県立図書館。2020年のリニューアルで、吹き抜けに高層書架が立つ空間に生まれ変わった。

※画像はAIによるイメージです。実際とは異なります。
Phase 4 #6は山形県立図書館。この図書館の始まりは1908年(明治41年)、皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)の東北御巡啓を記念する事業として、県会が県立図書館の創立を決議したことに遡る。
皇太子の東北巡啓が生んだ図書館
翌1909年に「行啓記念山形県立図書館」の設立が認可され、1910年、山形市旅籠町に開館した。しかし開館の翌年、1911年の山形市北部大火で図書館は類焼し、蔵書を焼失してしまう。1913年に新館舎を再建し、1914年から一般閲覧を再開。さらに1945年の終戦後は事務室の移転や仮館舎での運営が続き、1950年にようやく「山形県立図書館」へと改称。1953年、本館に戻っての閲覧が再開された。度重なる災禍を乗り越えてきた、しぶとい図書館だ。
遊学館という舞台へ
1962年には山形県民会館(現・文翔館の前身にあたる場所)に併設される時代を経て、1990年、生涯学習施設「遊学館」の中に移転。1階には山形県出身の偉人を顕彰する「県人文庫」も設けられた。
そして2020年(令和2年)2月、大規模改修を経てリニューアルオープン。高く明るい吹き抜けに高層書架が立つ、"ときめき"を感じる空間に生まれ変わった。
設備とアクセス
蔵書数は約77万冊。県内トップの蔵書量を誇り、郷土資料や「県人文庫」も充実している。1階の一般資料エリアには高さ約5メートルにおよぶ曲線美の巨大書棚がそびえ、アート・クリエイティブ関連書籍がセンスよく並ぶ。
館内には1階にカフェレストラン「IL BLU(イルブル)遊学館」があり、四季の変化を映したイタリアンを楽しめる。ふたつきの飲み物であれば持ち込みも可能だ。
設備は充実していて、無料の公衆無線LANは館内全域でメールアドレス入力等の手続きをすれば利用可能。電源は1階のフリー席(14席)や2階のビジネス支援コーナーなど、指定されたパソコン・学習利用優先席で使える。
自習環境も手厚く、静かに集中したい人向けの席のほか、グループで会話しながら勉強できる「アクティブラーニングルーム」(50席)、逆に究極の集中がしたい人向けの「サイレントルーム」まで用途別に用意されている。
駐車場は隣接する遊学館駐車場・県営駐車場を利用し、1階総合窓口で手続きをすれば2時間まで無料。開館時間は9:00〜20:00と毎日遅くまで開いており、仕事や学校帰りにも寄りやすい。ただし休館日が「毎月第1・第3・第5月曜日」+「毎月第3日曜日」という一般的な図書館とは違うパターンなので、週末に訪れる予定なら事前のカレンダー確認がおすすめだ。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 山形県山形市緑町1-2-36(遊学館内) |
| 開館時間 | 9:00〜20:00 |
| 休館日 | 毎月第1・第3・第5月曜日・毎月第3日曜日・年末年始・特別整理期間(月曜が「文化の日」の場合は開館) |
| 蔵書数 | 約770,000冊 |
| Wi-Fi | あり(メールアドレス登録制) |
| 電源 | あり(1階フリー席14席・2階ビジネス支援コーナー) |
| 駐車場 | あり(遊学館・県営駐車場、2時間無料) |
| 学習室 | あり(アクティブラーニングルーム50席・サイレントルームあり) |
| 公式サイト | 山形県立図書館 |
こんな人におすすめ
- 高さ約5mの曲線書棚など、美しい館内空間を楽しみたい人
- グループ学習からサイレント自習まで、目的別に席を選びたい人
- カフェレストラン「IL BLU」で食事も一緒に楽しみたい人
- 文翔館など山形の歴史的建造物とあわせて巡りたい人
周辺スポット
文翔館(旧山形県庁舎・県会議事堂)
大正時代の英国ルネサンス様式建築として知られる重要文化財。旧山形県庁舎・県会議事堂として使われていた建物で、図書館が一時期併設されていた場所でもある。
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