真珠の海と、市民の森と——鳥羽市立図書館
ジュゴンに会える日本一の水族館、世界初の真珠養殖、海女の文化——観光資源の宝庫・鳥羽市。その喧騒から少し離れた市民の森公園に、地域の暮らしを支える図書館が静かに佇む。観光の合間に立ち寄りたい、鳥羽のもう一つの顔だ。

AIによるイメージです。実際とは異なります。
真珠の海と、市民の森と——鳥羽市立図書館
ジュゴンに会える日本唯一の水族館。世界で初めて真珠の養殖に成功した島。今も現役の海女が最も多く暮らす海辺のまち——鳥羽市は、人口2万人足らずの小さな市でありながら、観光資源の密度では全国屈指の存在だ。
その観光の喧騒から少し離れた大明東町の市民の森公園に、鳥羽市立図書館はある。
公園の緑に囲まれた、暮らしの図書館
鳥羽市立図書館の歴史は古く、戦後まもなく鳥羽町立図書館として設立された。警察署跡、市庁舎跡、市民文化会館と移転を重ね、1988年に市民の森公園内に新図書館の建設が始まり、現在の建物に至る。市とともに歩んできた、地域密着の図書館だ。
蔵書数は約17万8,000冊。児童開架コーナー、おはなしのへや、ブラウジングコーナー、視聴覚コーナー、郷土資料コーナー、展示コーナーなど、規模は大きくないが必要な機能はひと通り揃っている。漫画(NARUTOなどの定番作品)やライトノベルのコーナーもあり、若い世代も楽しめる蔵書構成だ。館内ではWi-Fiも利用できる。
開館時間は午前10時から午後6時まで。スマートフォンに利用者カードのバーコードを表示して使えるデジタル対応や、来館が難しい人への郵送複写サービスなど、小さな市の図書館ながら利用者への細やかな配慮が光る。
郷土資料コーナーでは、海とともに生きてきた鳥羽の歴史・海女文化に関する資料に出会える。観光施設では見られない、地に足のついた鳥羽の姿を知るには絶好の場所だ。
ジュゴンと真珠と海女のまちへ
図書館で鳥羽の輪郭をつかんだら、海へ向かおう。
車で5分も走れば、鳥羽観光の二大巨頭が並んでいる。鳥羽水族館は約1,200種・3万点の生き物を展示する飼育種類数日本一の水族館。ジュゴンとラッコの両方に会える水族館は日本ではここだけで、順路のない自由見学方式も楽しい。
その隣、鳥羽湾に浮かぶのがミキモト真珠島だ。明治26年(1893年)、御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功した島で、真珠博物館や御木本幸吉記念館が建つ。昔ながらの白い磯着の海女がみられるのはここだけという潜水実演は必見だ。
足を延ばすなら、パールロード沿いの海の博物館へ。海女や漁、木造船など約5万9千点もの民俗資料を所蔵し、うち6,879点が国指定重要有形文化財。建物は日本建築学会賞や公共建築百選にも選ばれている名建築でもある。図書館の郷土資料で予習した海女文化を、実物で確かめる——そんな旅の流れが美しい。
ちなみに、名張市生まれの江戸川乱歩は若き日に鳥羽の造船所で働いており、鳥羽のまちなかには乱歩ゆかりの資料を展示する「乱歩館」もある。名張の図書館記事とあわせて、三重の乱歩を巡る旅も面白いかもしれない。
基本情報
| 項目 | 内容 | |---|---| | 住所 | 三重県鳥羽市大明東町1番6号(市民の森公園内) | | 開館時間 | 10:00〜18:00 | | 休館日 | 図書館カレンダーによる(月曜ほか)、年末年始、特別整理期間 | | アクセス | 鳥羽バスセンターからかもめバス「図書館」停留所下車 | | 蔵書数 | 約17万8,000冊 | | Wi-Fi | あり | | 電源 | なし | | 駐車場 | あり | | 公式サイト | 鳥羽市立図書館 |
こんな人におすすめ
- 鳥羽観光の合間に、静かな時間を挟みたい人
- 海女文化・真珠・鳥羽の郷土史を深く知りたい人
- 水族館や真珠島だけじゃない鳥羽を見てみたい人
- 三重の乱歩ゆかりの地を巡っている人
周辺スポット
鳥羽水族館
飼育種類数日本一(約1,200種3万点)を誇る日本最大級の水族館。日本で唯一ジュゴンに会える場所として有名で、ラッコやスナメリも人気。順路のないテーマ別展示方式で、自由気ままに海の世界を巡れる。
Google Mapsで見る ›ミキモト真珠島
明治26年(1893年)、御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功した島。真珠博物館や御木本幸吉記念館のほか、昔ながらの白い磯着姿の海女による潜水実演が見られる。実演は1日5〜6回開催。
Google Mapsで見る ›海の博物館
海女や漁、木造船など約5万9千点(うち6,879点が国指定重要有形文化財)の民俗資料を所蔵する博物館。建物自体も日本建築学会賞・公共建築百選に選ばれた名建築。「海と人間」をテーマにした日本でも珍しい博物館だ。
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