週末だけ、小学校が図書館になる——瀬戸市地域図書館
平日は子どもたちの学校図書館。土・日・祝日は、誰でも使える地域の図書館に変わる。瀬戸市が長年育ててきた、全国的にも珍しい取り組みがある。

※画像はAIによる外観イメージです。実際とは異なります。
小学校の玄関をくぐる機会は、大人になるとほぼない。
昇降口の感じ、廊下の匂い、天井の高さ。言葉にするほどのことでもないのに、体がちゃんと覚えている。愛知県瀬戸市には、週末だけ小学校が図書館に変わる場所が、市内に8館ある。
「身近な場所に、身近な図書館を」
瀬戸市立図書館が長年育ててきた地域図書館という取り組みがある。市内の公立小中学校の学校図書館を、土・日・祝日に地域の誰もが使える図書館として開放するというものだ。
平日は子どもたちの学校図書館として機能し、週末は一般開放。本館の利用カードで貸出でき、本館にある本を予約して取り寄せることもできる。
この取り組みは平成22年度に**文部科学省「子ども読書活動優秀実践図書館」**として表彰された。全国的に見ても珍しい形態で、瀬戸市がずっと続けてきた誇れる文化インフラだ。
8館それぞれの個性
画像の資料から、各館の規模と雰囲気が見えてくる。
| 館名 | 席数 | 机の構成 | 住所 | |------|------|----------|------| | 品野台小学校(宝島) | 48〜58席 | 長方形机×7・丸テーブル×5・個席×5 | 瀬戸市上品野町1234 | | 西陵小学校 | 30席 | 長方形机(6人掛け)×5 | 瀬戸市すみれ台1-77 | | 水野小学校 | 42席 | 長方形机(6人掛け)×7 | 瀬戸市小田妻町2-22 | | 東山小学校 | 44席 | 長方形机×6・丸テーブル(8人掛け)×1 | 瀬戸市東山町71 | | 幡山西小学校 | 36席 | 長机(2人掛け)×18 | 瀬戸市幡西町203 | | 光陵中学校 | 28席 | 長方形机(4人掛け)×7 | 瀬戸市萩山台9-244 | | にじの丘学園 | 76席 | 長方形机×6・長方形机(4人掛け)×10 | 瀬戸市中山町1-57 | | 長根小学校 | — | — | 瀬戸市東長根町166 |
最大規模はにじの丘学園の76席。丸テーブルや個席など机の構成も館によって異なり、グループで来るか、一人で集中したいかで館を選ぶのも面白い。
小学校に入るという体験
正直に言うと、本の充実度よりも小学校に入るという体験そのものが、この図書館の最大の魅力だと思っている。
廊下の床の質感、掲示物の賑やかさ、どこかで嗅いだことのある空気。大人の自分が校舎を歩くと、どうしてもあの頃に引き戻される瞬間がある。
図書館というのは本を借りる場所だが、ここでは「あの頃の自分に少し会いに行く場所」という側面もある。
瀬戸はやきものの街でもある
図書館だけで瀬戸に来るのはもったいない。「せともの」という言葉の語源になった街だけあって、観光の引きは強い。
窯垣の小径は、窯道具を積み上げた塀や石垣「窯垣」が約400mつながる路地で、全国でもここにしかない景観が続く。歩いて30分ほどで回れる散策コースで、窯元や陶芸家の工房が今も点在している。図書館で静かな時間を過ごしたあと、やきものの路地を歩く——瀬戸らしい半日の使い方だ。
基本情報
| 項目 | 内容 | |------|------| | 開館日 | 土曜日・日曜日・祝日のみ | | 開館時間 | 午前10時〜午後3時 | | 休館 | 臨時休館あり(公式サイト要確認) | | 貸出 | 瀬戸市立図書館の利用カードで利用可 | | 本館取り寄せ | 可能 | | 館数 | 市内8館 |
こんな人におすすめ
- 小学校の空気をもう一度味わいたい大人
- 「図書館らしくない図書館」に興味がある人
- 瀬戸観光のついでに静かな時間が欲しい人
- 子どもと一緒に週末おでかけしたい人