松阪牛と宣長と、40万冊の城下町——松阪市松阪図書館
松阪牛で知られる三重の城下町・松阪市。蒲生氏郷が築いた松坂城跡や国学者・本居宣長の旧宅から徒歩圏内に、40万冊超を誇る松阪市立図書館がある。歴史の層が厚いまちで、本に囲まれてゆっくり過ごしたい。

AIによるイメージです。実際とは異なります。
松阪牛と宣長と、40万冊の城下町——松阪市松阪図書館
松阪、と聞いて最初に頭に浮かぶのは人によって違うだろう。松阪牛、本居宣長、蒲生氏郷、あるいは三井財閥発祥の地——どれも正解だ。それほどこの街は、一つの顔に収まりきらない歴史の層を抱えている。
その城下町の中心部、鈴の森公園に隣接する形で建つのが松阪市松阪図書館だ。
40万冊超、三重でも有数の蔵書規模
蔵書数は400,552冊。三重県内の市立図書館としては屈指の規模で、一般書から郷土資料まで幅広いジャンルが揃う。
館内は2018年にリニューアルを経ており、正面入口が公園噴水側に変わり、外観も内装も明るい雰囲気になった。駐車場側にも出入り口があるので、車で来た場合は裏手からそのまま入れる。
開館時間は9時〜19時。学習室も備え、ネット予約で席を確保できる。蔵書を検索・予約できるオンラインサービスも充実しており、自宅から松阪・嬉野の両館の本を横断検索できる。
駐車場は隣接の鈴の森公園・クラギ文化ホール・農業屋コミュニティ文化センターと共同で数百台規模。公園自体もかなり広く、読書の合間に外を散歩するだけで気分が変わる。車でのアクセスは文句なしだ。
館内には無料の公衆Wi-Fiが整備されており、SSIDやパスワードは館内に掲示されている。学習室などの指定席ではAC電源(コンセント)も利用可能。長居して調べ物をするにも安心な環境が揃っている。ライトノベルコーナーもあり、幅広い世代が目的を持って来館できる。
休館日は月曜日と毎月最終金曜日という少し変わった組み合わせ。特に最終金曜休みは見落としがちなので要注意だ。
本を閉じたら、城下町へ
図書館を出て歩き始めると、すぐに松阪のまちの奥深さと向き合うことになる。
徒歩15分ほどの松坂城跡は、戦国時代の築城の名手・蒲生氏郷が1588年に手がけた平山城の跡だ。天守は残っていないが、野面積みの石垣は連続する枡形構造を持ち、守りに非常に優れた縄張りで、日本100名城にも名を連ねる。春には250本超の桜が咲き誇り、市民の花見スポットとしても親しまれている。
城跡に隣接する御城番屋敷も見逃せない。松坂城を警護する「松坂御城番」という役職の武士20人とその家族が住んだ武家の組屋敷で、国内最大規模の現存する武家長屋として2004年に国指定重要文化財に指定された。石畳の両側に槙垣がずらりと並ぶ景観は、現在も旧藩士の子孫が実際に暮らしながら維持管理しているという、全国的にも極めて珍しい場所だ。
国学の大成者・本居宣長の記念館と旧宅「鈴屋」も同じエリアにある。記念館には宣長自筆の稿本や遺品など16,000点以上が収蔵され、そのうち1,949点は国指定重要文化財。隣の鈴屋は宣長が60年間過ごし、『古事記伝』を書き上げた場所だ。図書館で本を読んだ後、日本の国学がここで生まれたという事実に静かに向き合う——そういう旅の動線が、松阪では自然とできあがる。
松阪牛は、外せない
城下町を歩き回ったあとは、やはり松阪牛を食べたい。日本三大和牛の一角として名高いこのブランド牛は、きめ細かい霜降りと箸で切れるほど柔らかな肉質、甘みのある香りが特徴で「肉の芸術品」とも称される。明治36年創業の老舗すき焼き店「牛銀本店」は、松阪牛文化の象徴的な存在。予約は早めに。
基本情報
| 項目 | 内容 | |---|---| | 住所 | 三重県松阪市川井町508 | | 開館時間 | 9:00〜19:00 | | 休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)、毎月最終金曜日(12月は28日)、年末年始、特別整理期間 | | アクセス | 近鉄・JR松阪駅から徒歩約20分、または路線バス利用 | | 蔵書数 | 約40万冊 | | 学習室 | あり | | Wi-Fi | あり(無料・館内掲示) | | 電源 | あり(学習室等の指定席) | | 駐車場 | あり(隣接の共同駐車場・広大) | | 公式サイト | 松阪市図書館 |
こんな人におすすめ
- 松阪牛だけじゃない、歴史と文化の深い松阪を旅したい人
- 本居宣長・蒲生氏郷・御城番屋敷など城下町文化に興味がある人
- 伊勢志摩観光の途中で、落ち着いた中継地を探している人
- 40万冊の中からじっくり本を選びたい人
周辺スポット
松坂城跡(松阪公園)
天正16年(1588年)に蒲生氏郷が築いた平山城の跡。天守こそ残らないが、野面積みの豪壮な石垣は松阪のシンボルで、日本100名城にも選定。隣接する御城番屋敷(国指定重要文化財)は江戸末期の武家長屋が今も現役で、旧藩士の子孫が実際に暮らしている全国でも珍しい場所。春の桜・藤も名物。
Google Mapsで見る ›本居宣長記念館・鈴屋
松阪が生んだ国学の大成者・本居宣長の記念館。自筆稿本や遺品など1,949点が国指定重要文化財。隣接する旧宅「鈴屋」は宣長が60年間過ごし『古事記伝』を執筆した場所で、特別史跡に指定。松坂城跡と合わせて徒歩で回れる松阪散策の核心エリア。
Google Mapsで見る ›牛銀本店
明治36年創業の松阪牛すき焼きの老舗。「肉の芸術品」と称される松阪牛を、創業当時から変わらない割り下で味わう。予約必須の人気店だが、松阪を訪れたなら一度は食べたい一皿。
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